自宅で個人塾を開業!必要な準備やスペース、成功させるコツを紹介

近年、自宅の一室やスペースを活用して個人塾を開業する方が増えてきています。開業には準備が必要ですが、上手くいけば安定収入が見込めるビジネスとして注目を集めているのです。

本記事では、自宅で個人塾を開業するために必要な準備やスペースについて、また成功のコツをご紹介します。個人塾の開業を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

本記事で解説しているポイント
  • 自宅での個人塾開業に必要な準備
  • 自宅での開業では不要なもの
  • 個人塾を自宅で開業するメリット・注意点
  • 成功させる3つのコツ

自宅での個人塾開業で必要な準備

自宅で個人塾を開業するには、以下のような準備が必要になります。

  • 各種届け出・書類の提出
  • 塾に使用するスペースの確保
  • 物件のオーナー・近隣住民への許可取得
  • 初期費用と運営資金の用意
  • 事業計画の立案
  • 備品の用意

それでは、順を追って詳しく見ていきましょう。

各種届け出・書類を提出する

個人塾を開業する際には、各種届け出や書類の提出が必要です。個人事業主として開業する場合と、法人を立てる場合で手続きが異なります。

届け出名 個人or法人 届け出先
事業開始申請書 個人 都道府県税事務所
開業届 個人 税務署
法人設立届出書など 法人 法務局

事業開始申請書(個人事業主の場合)

個人事業主として個人塾を開業する際は、都道府県税事務所に「事業開始申請書」を提出しましょう。

この申請書は、個人事業税の納税義務の有無を判定するために使用されます。

提出先は都道府県により異なります。例えば東京都であれば、以下のようなものを提出しましょう。

事業開始等申告書(個人事業税) - 東京都主税局

開業届(個人事業主の場合)

税務署に対しては「開業届」の提出が必要です。

開業届は、個人事業の開始を税務署に知らせる届出書類です。開業後1ヶ月以内の提出が原則とされています。

開業届については、以下の公式サイトを参照しましょう。

個人事業の開業・廃業等届出書(提出用・控用)|国税庁

法人設立届出書など(法人を立てる場合)

法人として個人塾を開業する場合は、法人設立に関する各種届出書を提出します。主な届出書には、定款や設立時取締役などを記載した「法人設立届出書」のほか、「本店所在地証明書」などがあります。

このほか、従業員を雇用して給与の支払いを行う場合は、税務署に「給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書」の提出も必要です。

資本金が1,000万円以上の場合は「消費税の新設法人に該当する旨の届出書」の提出も求められます。

詳しくは法務局や国税庁など管轄を行っている機関に問い合わせましょう。

法 人設立届出書

塾に使用するスペースを確保する

自宅の一室やスペースを塾に使用するため、十分なスペースの確保が必要です。

個人塾の運営スタイルに合わせて、授業形態や想定する生徒数を考慮しながら、適切な広さのスペースを用意しましょう。

1対1の個別指導や少人数制の授業であれば一般的な部屋サイズで事足りますが、集団指導を行う場合はより広いスペースが求められます。自習室を設ける場合は、さらに別の部屋が必要になります。

最初は小規模でスタートし、徐々に拡大していくのがよいでしょう。事業の将来性を見据えて、必要に応じて増床できるような物件選びを心がけることも大切です。

物件のオーナー・近隣住民に許可を取る

自宅の一室で個人塾を開業する場合、物件がアパートやマンションであれば、オーナーや管理会社、管理組合の許可を得る必要があります。

一戸建ての場合でも、近隣住民へ一報を入れ了承を得ておくのが望ましいです。

事前の説明と理解を得ることで、子どもの声がうるさいなどのトラブルを未然に防げます。運営時間や想定する生徒数、防音対策など、具体的な説明を行いましょう。

初期費用と運営資金を用意する

個人塾の開業には、ある程度の初期費用と運転資金が必要です。

教室の内装工事や看板設置、備品の購入、広告宣伝費など開業にかかる費用を事前に算出しておきましょう。

規模により大きく変動しますが、初期費用としては少なくとも300~500万円程度は見込んでおきましょう。

生徒が入塾し軌道に乗るまでは収入が見込めないため、教室の家賃や光熱費などの固定費をまかなえるだけの運転資金も必要です。

少なくとも半年分の運転資金は確保しておくとよいでしょう。

初期投資を抑えるには、内装はシンプルにまとめ、備品はリサイクル品を活用するなどの工夫が有効です。

少人数からのスタートであれば、必要最小限の設備で始められます。

事業計画を立てる

個人塾の運営では、いつまでにどれくらいの生徒を集めるのか、そのために必要な広告宣伝の予算や方法など事業計画をしっかりと立てることが重要です。

単に勘だけで事業を進めるのではなく、エリアの教育ニーズを分析し自塾の強みを活かした差別化戦略を練りましょう。

月謝設定や講師の採用計画、教材の選定なども事業計画に盛り込みます。

事業計画は資金計画の裏付けともなります。初期投資の回収や黒字化の目標時期を設定し、その計画に基づいて必要な資金繰りを行っていきます。

備品を用意しておく

開業に向けて、授業で必要となる各種備品をあらかじめ用意しておきましょう。主な備品は以下の通りです。

  • 机・イス
  • ホワイトボードまたは黒板
  • 筆記用具、文房具類
  • テキスト、問題集、参考書
  • パソコン、プリンターなどのOA機器
  • 鍵付きロッカーや収納棚
  • 空気清浄機、サーキュレーターなど

生徒数に応じた数の机やイスを用意し、ホワイトボードや黒板は大きめのサイズを選びます。

自塾オリジナルのテキストを使用する場合は、印刷・製本も必要です。

感染症対策として、アルコール消毒液やパーテーション、使い捨てマスクなどの衛生用品の用意も忘れずに。快適に学習できる環境づくりを心がけましょう。

自宅での個人塾開業では不要なもの

自宅で個人塾を開業する際、準備すべきものは多岐にわたりますが、逆に不要なものもいくつかあります。

ここでは、自宅塾の開業にあたって必要のないものを2つご紹介しましょう。

教員免許や資格は不要

まず、個人塾を開業するのに教員免許や資格は必須ではありません。

塾は学校教育法で定められた学校ではないため、塾講師には教員免許は求められないのです。

ただし教員免許を持っていると教育者としての経験値が高いことをアピールでき、信頼感は高まります。

教員免許以外にも学習塾講師検定やキッズコーチングスキルの資格など、塾経営や子どもの指導に役立つ資格はあります。

決して必須ではありませんが、スキルアップと信頼獲得のために取得を目指すのは良いかもしれません。

小規模ならスタッフは不要

個人塾を自宅で開業する場合、スタッフは必ずしも必要ありません。講師が経営者を兼ねることで、少人数の運営が可能だからです。

特に開業当初は生徒数も少ないため、講師 兼 経営者の1人で十分にまわせます。

会場設営や清掃、授業準備などすべて自分で行うことになるでしょう。

生徒数が増えてきて手が回らなくなったら、アルバイトの採用を検討するのが良いでしょう。

個人塾の魅力は、初期投資を抑えられることです。必要経費は必要最小限に留め、堅実に運営を軌道に乗せていくことが肝要と言えます。

個人塾を自宅で開業するメリット

自宅での個人塾開業には、いくつかの大きなメリットがあります。ここでは、その中でも特に重要な3つのメリットについて詳しく見ていきましょう。

初期費用・運営費用が削減できる

自宅で個人塾を開業する最大のメリットは、費用面でのアドバンテージと言えるでしょう。

教室となる物件を新たに借りる必要がないため、開業時の初期費用を大幅に抑えることができます。

一般的に、教室用の物件を借りる際には、次のような費用がかかります。

  • 敷金:家賃の1〜2ヶ月分
  • 礼金:家賃の1〜2ヶ月分
  • 保証金:家賃の1〜3ヶ月分

これらの費用は、自宅を教室として使用する場合はかかりません。

また教室の家賃も自宅と共用できるため、運営費用の大部分を占める固定費を削減できるのです。

例えば月10万円の家賃がかかる教室を借りる場合、少なくとも年間120万円の固定費がかかります。

一方自宅で開業すれば、この費用を丸ごと浮かせることができるのです。

光熱費や通信費なども、自宅の使用分と一緒になるため、経費を最小限に抑えられます。

小規模から開業しやすい

自宅で開業する個人塾は、小規模からスタートしやすいというメリットもあります。

1人の講師で指導できる生徒数は限られますが、少人数制の指導は個人塾の強みでもあります。

生徒数に合わせて必要な設備を徐々に整えていけばよいため、リスクも最小限に抑えられます。

講師・経営者としての力量を徐々に高めながら、ゆっくりと生徒数を増やしていく、堅実な事業展開が可能となります。

口コミによる評判が徐々に広まり生徒が集まってきたら、スペースに余裕のある自宅の別の部屋を使うのもよいですし、近隣に教室を構えて規模を拡大するのもよいでしょう。

スケジュールに融通がききやすい

自宅で個人塾を開業すれば、仕事と生活のスケジュール管理も容易になります。自宅から通勤する必要がないため、移動時間を有効に使えるのです。

そのため子育て中の方やWワークを検討している方にとっても、自宅での個人塾経営はおすすめと言えます。

授業のない日や時間は、家事や育児、本業などに時間を充てやすくはなるでしょう。

個人塾を自宅で開業する時の注意点

個人塾を自宅で開業する際には、いくつかの注意点にも目を向ける必要があります。

ここでは、自宅開業で直面しやすい3つの課題についてお伝えしましょう。

オーナー・近隣からの理解を得るのが難しい

自宅で個人塾を開業する場合、アパートやマンションなどの賃貸物件では、オーナーや管理会社の許可を得る必要があります。

一戸建ての場合も、近隣住民の理解を得るのは容易ではないかもしれません。

塾の運営にともなう子供たちの声や足音、送り迎えの車の出入りなどが、騒音やプライバシー侵害と受け止められる可能性があるためです。

近隣住民に個人塾開業の挨拶をする際は、以下のような点を丁寧に説明するとよいでしょう。

  • 開校日時と時間帯
  • 想定される生徒数
  • 送迎の方法と駐車スペース
  • 騒音対策(防音設備、教室内のルールなど)

生徒の迎えには保護者の車が集中しやすいため、駐車場所の確保も大切です。路上駐車は絶対に避け、近隣の有料駐車場の利用を検討しましょう。

子供たちには教室内でも大きな声を出さないよう指導し、教室の出入りの際も近隣に迷惑をかけないよう注意を促しましょう。

看板設置に制限があることが多い

個人塾の集客には教室の外観も重要な役割を果たします。わかりやすい看板を設置できれば教室の存在をアピールしやすくなるでしょう。

しかし自宅を教室にする場合、看板の設置には制限があることが多いのです。

特にアパートやマンションでは、オーナーや管理組合の許可が必要となります。

住居専用の建物の場合、看板設置が認められないケースもあるでしょう。

景観を損ねるなどの理由から看板の大きさや色使い、設置場所などに制約が設けられる可能性もあります。

プライベートとの区別が難しい

自宅で個人塾を開業する場合、仕事と私生活の区別がつきにくいというデメリットもあります。

教室として使う部屋以外の空間も、生徒や保護者の目に触れる可能性があるためです。

リビングや家族の個室など、プライベートな空間まで教室の延長のように見られてしまうと、落ち着かない思いをするかもしれません。

生徒を送り迎えする保護者との何気ない立ち話が、つい長引いてしまうこともあるでしょう。

こうしたストレスを軽減するには、教室とプライベート空間の切り分けが大切です。玄関先に目隠しのパーテーションを置いたり、教室とそれ以外の空間の間に扉を設けたりするなど、工夫してみましょう。

とはいえ、アットホームな雰囲気こそ個人塾の魅力。

生徒との信頼関係を大切にしつつ、「塾の先生」としての立ち位置を崩さないバランス感覚を磨くことが肝心でしょう。

個人塾の自宅開業を成功させる3つのコツ

自宅で個人塾を開業するには、周到な準備と経営戦略が欠かせません。ここでは、個人塾を軌道に乗せるための3つの重要なコツを解説していきましょう。

コツ1. 知人経由でも集客をする

個人塾の生命線は、安定した集客力です。

自宅を教室にする場合大がかりな広告宣伝は難しいかもしれません。そこで活用したいのが、知人ネットワークを通じた口コミ集客です。

まずは身内や友人、近所づきあいのある家庭に塾開業の案内をしてみましょう。個人的な人間関係を大切にしながら、丁寧な指導を積み重ねていくことが肝要です。

教え子が成績を上げ、第一志望校に合格したといった実績は口コミを呼ぶ格好の実績になるはずです。

もちろんチラシの配布やウェブサイトの開設など、できる範囲の広告活動も怠りなくこなしましょう。

コツ2. 自宅であることを活かし強みを作る

自宅教室だからこそ発揮できる強みを、指導スタイルに反映させることも大切なポイントです。

大手塾にはないアットホームな雰囲気での面倒見の良さは、自宅個人塾ならではの武器になります。

一人ひとりの習熟度や性格に合わせた細やかな指導は、自宅教室の小規模性を活かせば実現しやすいでしょう。

また、目配りの効いた指導は生徒や保護者との信頼関係を強化する大きな力になります。通いやすさの面でも、自宅教室は生徒に好まれやすい環境と言えるでしょう。

コツ3. 近隣と良好な関係を保つ

自宅で個人塾を開く以上、近隣住民への気配りは避けて通れません。 騒音やプライバシー、ゴミ出しのルールなど、一般家庭とは異なる配慮が求められるためです。

最悪の場合、近隣とのトラブルが泥沼化し運営に支障をきたすことも考えられます。 自宅塾が近隣住民から訴えられ、移転を余儀なくされてしまう可能性も考えられるでしょう。

そうした事態を未然に防ぐには、日頃からの近所付き合いが重要。

開業時の挨拶はもちろん、日常的なコミュニケーションを怠らないことが大切です。

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個人塾の自宅開業は大きな可能性を秘めていますが、経験の浅い経営者にとってはリスクも少なくありません。

生徒集めや教材開発、人材採用など、どれをとっても専門的な知識とノウハウが求められるためです。

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