学習塾フランチャイズのよくある失敗事例と対策!最悪どうなる?
学習塾を開校するにあたり、フランチャイズ経営は人気のある選択肢の一つです。本部からのサポートや知名度を活かせるメリットがありますが、一方で失敗のリスクも潜んでいます。
理想とは裏腹に落とし穴にはまり、経営に行き詰まってしまう例は少なくありません。
そこで本記事では、フランチャイズの学習塾経営で陥りがちな失敗事例を解説。リスクを回避するための対策もお伝えします。
これからフランチャイズでの学習塾開校を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
- 学習塾フランチャイズの失敗例と対策
- トライプラスにおける実際の失敗事例
- 失敗すると最悪どうなるか
- 失敗しやすいフランチャイズ塾本部の特徴
- 塾ブランドの見分け方

フランチャイズ学習塾でよくある失敗と対策
フランチャイズ学習塾の経営で陥りやすい失敗例は以下の4つです。
- 失敗1. 資金計画が甘く運転資金が尽きる
- 失敗2. 開校した立地が悪く集客が上手くいかない
- 失敗3. 本部との連携が取れていない
- 失敗4. 講師の採用・品質に問題がある
これらの失敗に陥らないよう、適切な対策を打つことが重要です。具体的な失敗内容と、その対策を見ていきましょう。
失敗1. 資金計画が甘く運転資金が尽きる
フランチャイズでは本部に加盟料やロイヤリティを支払う必要があるため、開業時に多額の資金が必要になります。
教室の賃料や講師の人件費、広告宣伝費など毎月の固定費も見込んでおく必要があります。
「最初は生徒が少なくても、評判を上げればすぐ軌道に乗るだろう」と楽観視して資金計画を立てると、想定外の支出が重なって資金ショートに陥るおそれがあります。最悪、借金を背負って破綻してしまう可能性も。
対策:余裕を持ってシミュレーション・確保をしておく
資金計画は余裕を持って立てることが重要です。1年間の必要資金を算出し、安全策としては倍の額を用意できるのが理想的です。
加盟時の説明会では、先輩オーナーの生徒数や売り上げ実績を聞いて参考にしましょう。ただし「うまくいっている一部の事例だけを見せられている」可能性もあるので、しっかり質問したうえで誠実に答えてくれるか確認する必要があります。
金融機関からの融資を受ける際も、返済のシミュレーションはしっかり行いましょう。「生徒数が増えれば返せるだろう」といった期待は禁物です。
失敗2. 開校した立地が悪く集客が上手くいかない
学習塾は、立地選定がカギとなる商売の一つです。駅から遠かったり、大通りから外れていたりすると生徒が集まりづらくなります。
また、近くに競合する有名塾が何校もあると、知名度勝負に敗れて集客で苦戦するおそれがあります。
対策:事前に入念にリサーチしておく
教室物件の選定には、事前の綿密なリサーチが欠かせません。
- 自宅や職場から通いやすく人通りが多い場所か
- 同業他社の教室が密集していないか
- 近隣の学校の生徒数や学力レベル、学習塾への通塾率
- 家賃や教室のスペースに無理がないか
これらの項目をしっかりチェックし、候補を比較検討することが重要です。
フランチャイズ本部の中には、自社で収集したマーケティングデータをもとに、出店場所のアドバイスをしてくれるところもあります。ぜひ相談してみましょう。
失敗3. 集客・強みの訴求が上手くいかない
フランチャイズで開業したものの、ブランド力がない・集客の支援を受けられないなどで生徒集めが上手くいかないという失敗もありがちです。
対策:ブランド力がある塾本部を選ぶ
有名ブランドのフランチャイズなら、看板を掲げてポスティングなど正しい施策を実行するだけである程度の集客は見込めます。
全国区のテレビCMをしているような大手塾のフランチャイズは、新規参入でも一定の生徒数を集められる可能性が高くなるでしょう。
本部の知名度やブランド力の強さも、フランチャイズ選びの重要ポイントの一つです。各社の公式サイトや、CM出稿実績などを見比べてみると良いでしょう。
失敗4. 本部との連携が取れていない
フランチャイズは本部のノウハウやサポートを活用できるのが最大の魅力ですが、一方で本部との連携不足で躓くケースもあります。
「本部まかせ」の受け身の姿勢では、自教室の状況に合った適切な経営判断ができません。逆に「自分のやり方でいく」と本部の指導を無視してしまうのも問題です。
結果、本部との方針の不一致から、生徒募集や指導面で問題が生じ、経営が立ち行かなくなるおそれがあります。
対策1. 受け身で経営を行わない
「フランチャイズなら楽に儲かる」というわけではありません。自分が経営者であるという自覚を持ち、本部の指導も取り入れつつ、自ら考え改善していく姿勢が重要です。
本部の集客ノウハウも、自教室の状況に合わせてアレンジしていきましょう。地域の実情を一番理解しているのはオーナー自身のはずです。
対策2. 加盟前にサポート内容を確認しておく
「話が違う」のトラブルを避けるには、加盟前の段階で、本部のサポート内容を明確に把握しておくことが大切です。
- 集客のサポートはどこまでやってくれるのか
- 教務指導やカリキュラム作成のアドバイスはあるのか
- 研修制度や教材の提供はどの程度充実しているのか
資料だけでなく、説明会で直接質問して確認しておきましょう。先輩オーナーの話を聞くのも参考になります。
失敗5. 講師の採用・品質に問題がある
学習塾の教育品質は、講師陣の力量に大きく左右されます。しかし採用基準が甘かったり、研修が不十分だと、生徒や保護者から不満を招き、評判を落としかねません。
個人塾と異なり、教室の講師は基本的にオーナーが採用する必要があります。人を見る目がないと、質の低い講師を採用してしまうリスクがあるのです。
対策:採用サポートを受けられる本部を選ぶ
教育業界での採用経験が浅いオーナーは、講師採用の面でサポートが手厚いフランチャイズがおすすめです。
- 経験のある人材を紹介してくれる
- 研修が整っている
など、採用や教育面の体制が整っているかどうかをチェックしておきましょう。
なおトライプラスでは、全国33万人以上が登録している「トライ」の講師ネットワークを使って人員の採用を進めていくことが可能です。
学習塾であった実際の失敗事例
ここでは、学習塾「トライプラス」のフランチャイズオーナー様が実際に体験した失敗事例を取り上げていきます。
開校した物件が狭く生徒数に限界が出てしまった
燃料小売業から塾経営に参入したトライプラスのオーナー様は、1校目の物件選定に失敗し、生徒数の増加に限界を感じたといいます。
唯一失敗したなと思ったのが、1校目に開校した教室の狭さです。ビルの3F、エレベーターが1基しかないという条件も重なって、置ける机の数がどうしても制限されてしまいました。
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- エレベーターはたった1基しかない通いづらい物件だった
- 教室の広さが限られ、机の配置に制限があった
- 集団講習でもっと生徒を取りたかったが難しかった
- 自習スペースも確保できなかった
初めての校舎は、事業の拡大を考える上でも非常に重要な選択になります。立地やスペースの面でも妥協せず、時間をかけて慎重に選ぶことが大切だと言えるでしょう。
保護者と対等な関係が築けなかった
塾の開校には保護者とのコミュニケーションも欠かせません。大学教員からの転身で塾経営に乗り出したオーナー様は、当初その点で苦労したそうです。
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ただし、本部SVの指導を受けながら次第にコツを掴み、 保護者との良好な関係を築けるようになったとのこと。オーナーの「人間力」も塾経営の大きな要素だと言えそうです。
フランチャイズ学習塾で失敗すると最悪どうなる?
個人事業の形態で開業した場合、最悪のケースではオーナー個人の借金となり、自己破産に追い込まれるおそれもあります。
・法人と代表者個人は別人とされる
・別人の借金の返済義務を当然に負うことはないので、原則として代表者に法人の債務の責任はない
会社が法人破産・倒産すると社長、理事が借金を負うの?自己破産も?(弁護士法人
東京新宿法律事務所)
一方、法人が運営母体となれば、債務が個人に及ぶリスクは下がります。代表が連帯保証人にならない限り、最悪でも出資額を失う程度で済むでしょう。
ただし法人といっても、信用力の乏しい新設法人で、独力で事業を展開する場合は、金融機関から融資を受けるのは容易ではありません。
事業リスクをできるだけ避けたいなら、業界での実績が長く、ブランド力もあるフランチャイズを選ぶのが得策と言えそうです。
失敗しやすいフランチャイズ塾本部の特徴
フランチャイズ塾を選ぶ際は、本部の実績や教育方針だけでなく、オーナーへのサポート体制にも注目が必要です。
以下のような特徴があるフランチャイズ本部は、オーナーが失敗しやすい傾向にあります。
1. 本部のサポートが限定的
教室の立ち上げや運営で本部のサポートが十分に受けられないようでは、オーナーの負担が重くなりすぎてしまいます。
- 開校前の研修が不十分
- 教室運営のマニュアルが用意されていない
- 広告制作や折込チラシのデザイン支援がない
- 定期的な教室訪問や指導がない
など、サポートが心許ないフランチャイズ本部は要注意です。「ノウハウを提供する」というフランチャイズの基本が疎かになっている可能性があります。
2. 思わぬロイヤリティが発生する
ロイヤリティは、売上の一定割合を支払うのが一般的です。ただ、売上とは別にシステム利用料などの名目で、不当に高額な費用を請求してくるケースもありえます。
加盟時の説明を鵜呑みにせず、契約書をしっかり確認しましょう。特にロイヤリティが相場より不自然に低い場合は、何か別の所で費用が発生する可能性がないか留意すべきです。
3. 運営実績・信頼性が不透明
フランチャイズ本部の運営実績や、他のフランチャイズ校の成功事例がはっきりしない場合も、リスクが高いと言えるでしょう。
- 創業から年数が浅く、ビジネスモデルが実証されていない
- オーナーになった後の収支モデルを明示してくれない
- 本部の教育業界での経験・実績が不明
- 他の教室の生徒数・成績アップ実績を開示してくれない
経営ノウハウの提供を最大の武器とするフランチャイズにおいて、情報開示に後ろ向きな本部は、大きな警告サインだと考えられます。
4. ブランド力がない
フランチャイズの最大のメリットは、全国区のブランド力に乗れることだと言えます。看板を掲げるだけである程度の集客が見込める点は、独立開業では真似できない強みです。
ところが、知名度の低いフランチャイズも少なくありません。CMをほとんど流していなかったり、受験情報サイトへの露出度が低かったりすると、ブランド力はあまり期待できません。
全国レベルで認知度が高いかどうかを、客観的にチェックする必要があります。
塾選びの口コミサイトなどを見て、ブランドの浸透度をリサーチしておくと良いでしょう。知名度の低い塾のフランチャイズでは、集客リスクも高まります。
フランチャイズ教室の成功は、本部選びが9割を占めると言っても過言ではありません。加盟時のわずかな手抜きが、のちのち大きな痛手となることを肝に銘じておきたいものです。
失敗しないフランチャイズ塾ブランドの見分け方
フランチャイズ塾選びで失敗しないためには、以下のようなポイントをチェックすることが大切です。
サポート体制がきちんと整っているか
開業前の研修から開業後の運営指導まで、手厚いサポート体制が整っているかは重要なポイントです。
特に教育業界での経験が浅いオーナーほど、手厚いフォローがあると心強いはず。事前に入念に確認しておきましょう。
実績・数字をオープンにしているか
本部の運営実績や、他教室の生徒数・成績アップの実績など、きちんと数字を開示してくれるフランチャイズかどうかもチェックすべき点の一つです。
実績を明示できない本部は、ビジネスモデルが成り立つか実証されていない可能性があります。となると、フランチャイズのメリットである「既に確立しているビジネスモデルを利用できる」があまり期待できなくなってしまうため、十分に注意しましょう。
加盟金・ロイヤリティが妥当か
教室の利益を左右する加盟金やロイヤリティの設定が妥当かどうかも見極めが必要です。
ただし、安すぎるフランチャイズは「ブランド力が弱い」「サポートが手薄」などのデメリットがある可能性も。
相場と比べて極端に高い、安いケースは慎重に見極めましょう。
経営・教育の理念に共感できるか
フランチャイズは本部と二人三脚で経営していくビジネスモデルです。経営方針や教育理念が自分の考えと合わない本部とタッグを組んでも、すれ違いが生じるだけでしょう。
自身が教育事業を通して達成していきたい未来と、本部の理念が合致しているか。こういった点にきちんと共感できるかどうかも大切なポイントです。
低リスクの学習塾開業ならトライプラス
「トライグループ」を母体とするトライプラスは、抜群の知名度と信頼性を誇るフランチャイズ塾本部です。
無理のない創業資金で開業でき、ロイヤリティの負担も通常多く見られる「売上の10%」ではなく「月謝の10%」「季節講習は7%~10%(売上に応じて引き下げ) 」と低いのが魅力。
ブランド力を活かして生徒募集を効率的に進められるので、早期の黒字化も十分狙えます。
サポート体制も充実しているため、未経験から開業されるオーナーが過半数 を超えているのも特徴です。
教育業界での独立開業を志す皆様はぜひご検討ください。

