塾経営が厳しいと言われる理由3選!よくある失敗と対策も紹介
塾経営が厳しいと言われる中で、学習塾の開業を検討している方も多いのではないでしょうか。
しかし、「少子化で市場規模は減少しているのでは?」「初期投資が高くつきそう」など、様々な不安を抱えている方も少なくないでしょう。
この記事では、塾経営が厳しいと言われる理由を3つ挙げ、各理由に対する対策についても解説していきます。また、塾経営での失敗事例や、その失敗を未然に防ぐためのポイントについても、学習塾を長年展開するトライプラスの知見を基にお伝えします。
塾経営への一歩を踏み出そうとしている方は、ぜひ本記事の内容を参考にしてみてください。
- 塾経営が厳しい3つの理由
- 各理由に対する対策
- 塾経営の失敗事例
- 失敗を防ぐポイント
- 低リスクで開業する方法

塾経営は簡単ではないが勝機はある
塾経営は決して簡単ではありません。少子化や競合の増加など、厳しい経営環境が続いています。
しかし、そんな中でも生き残り、成功している塾は存在します。結局のところ、塾経営の成否は経営者の手腕次第と言えるでしょう。
ただ、個別指導塾に関しては勝機があると言えます。少子化の影響で集団指導塾の生徒数は減少傾向にありますが、個別指導塾は着実に成長を続けているためです。
また、塾経営は初期投資が比較的低く、損益分岐点に達するまでの期間が短いのも魅力。投資に対するリターンを得やすいビジネスモデルだと言えます。
塾経営が厳しいと言われる理由3つ
「塾の経営は厳しい」と言われる理由としては、主に以下の3つが挙げられます。
- 少子化が進んでいる
- 参入障壁が低く競合が多い
- 優秀な講師陣の確保が難しい
理由1. 少子化が進んでいる
塾経営が厳しいと言われる最大の理由は、少子化が進んでおり「子どもの数が減っているのであれば集客が難しいのではないか」と考えられやすいためです。
実際、総務省統計局が令和6年に公開した「我が国のこどもの数」によると、2024年4月1日時点での子ども(15歳未満人口)の数は1,401万人と過去最少で、43年連続の減少となっています。
ただ、直感的には「少子化が原因で塾業界は縮小している」と思われがちな一方、実は塾業界全体の売上は上昇傾向にあります。
経済産業省が発表している「特定サービス産業動態統計調査」では、2022年の学習塾業界の売上高は約5,568億円、2023年は約5,812億円と順調に成長を続けています。
売上高が増えている主な理由としては「少子化になっているが、家庭ごとの教育にかける費用は増えている」などが挙げられます。
つまり、子どもの数は減っている一方、子ども一人あたりにかける教育費は増えているので全体としては増加傾向にあるということ。
このことを考慮すると、「少子化だから塾業界は厳しい」とは一概には言い切ることはできません。
ただ個別指導塾の市場は拡大傾向
また、個別指導塾の市場は拡大傾向にあります。
株式会社成学社が2023年に発表した「学習塾の現状と今後」によると、2009年の個別指導塾のシェアは31%であった一方、2013年は33.4%、2017年は37%と集団指導塾から個別指導塾へのシフトが続いています。
市場規模もシェア率に従って推移するため、個別指導塾の市場も集団塾からのシフトに伴い成長していると考えて良いでしょう。
個別指導塾の市場が成長している主な理由としては以下が挙げられます。
- 一人あたりの教育費が増え、より丁寧に見てくれる個別指導塾が好まれている
- 教育カリキュラムの難化・入試の多様化により集団塾では対応しきれない
こういったトレンドは今後も続くと考えられ、個別指導塾の市場は今後も成長が見込まれると言えます。
理由2. 参入障壁が低く競合が多い
塾経営が厳しいと言われるもう一つの理由は、参入障壁が低く競合が多いためです。
塾経営は、比較的設備投資が少なくて済む業種。そのため、参入障壁が低く、多くの事業者が参入しています。
競合が多いということは、差別化をせず同じような価値を提供すると価格競争に陥りやすく、利益率が低下する危険性が高いということに。いかに競合と差別化するかが肝になると言えます。
初期費用が低く損益分岐点まで早い
ただし、塾経営は初期費用が低く、損益分岐点に達するまでの期間が短いのも事実。
少額の資金で開業でき、教材と教室、机、椅子などの備品があればすぐにスタートできます。初期投資が少なく、早期に利益を出せるビジネスモデルと言えるでしょう。
学習塾の廃業率は低くはない
帝国データバンクの調査によると、2023年の学習塾の倒産件数は30件でした。経済産業省の「特定サービス産業動態統計調査」によると2023年末時点での学習塾の事業者数は11,433であるため、毎年全体の約0.2%が倒産する計算になります。
学習塾は原価がかからず堅実に経営を行っていればリスクの少ないビジネスではありますが、廃業率は決して無視できるほど低くはないと言えます。
理由3. 優秀な講師陣の確保が難しい
塾経営が厳しいと言われる3つ目の理由は、優秀な講師陣の確保が難しいことです。
塾の講師の多くは大学生アルバイトですが、大学の多くは東京や大阪、北海道などの都市に集中しています。
そのため、地方では採用が困難になる傾向にあります。とはいえ、都内でも競合が多く、きちんと採用活動を行わなければ優秀な人材を確保できません。
また、大学生は通常4年で卒業します。そのため、同じ講師が長期間働く可能性は低く、常に採用を行い続けなければならないということになります。
優秀な講師陣を確保し育成することは、塾経営の大きな課題と言えるでしょう。
塾経営のよくある失敗と対策
塾経営には陥りやすい落とし穴がいくつか存在します。
ここではトライプラスが学習塾を長年展開し獲得してきたノウハウをもとに、よくある失敗とその対策を取り上げていきます。
失敗1. 立地選定を間違えてしまう
塾経営で失敗するケースの一つに、立地選定の失敗があります。
生徒が集まりにくい場所に出店してしまうと、集客に苦戦することに。立地は一度決めてしまうと変更が難しいだけに、慎重に選ぶ必要があります。
対策:綿密にリサーチした上で決定する
立地選定の失敗を避けるには、事前の綿密なリサーチが欠かせません。校区の人口や競合校の状況、交通の便など、様々な角度から候補地を分析していきます。
実際に現地に足を運んで、周辺の環境をチェックすることも重要。時間をかけてでも、慎重に立地を選定しましょう。
失敗2. 価格競争になり利益率が低下する
塾経営のもう一つの失敗パターンは、価格競争に巻き込まれて利益率が低下してしまうことです。
地域に同業者が多く、提供するサービスに差がないと、価格競争に陥りやすくなります。価格を下げれば生徒数は増えるかもしれませんが、利益率が低下し、経営が苦しくなってしまいます。
提供する価値が被っていると価格競争になる
価格競争に陥る原因は、提供する価値が競合校と被っていることにあります。
同じようなカリキュラム、指導方法、講師陣では、保護者や生徒から見た差別化ポイントがありません。結果、価格だけが競争の決め手になってしまうのです。
対策1:塾を差別化する
価格競争を避けるには、塾の差別化が重要。ターゲットを絞って特定の生徒層にフォーカスしたり、カリキュラムや指導方法に独自性を出したりと、他塾にはない強みを打ち出すことが重要です。
自塾にしかない価値を提供できれば、多少価格が高くても生徒は集まる可能性が高くなります。
対策2:フランチャイズで大手ブランドを利用する
もう一つの対策は、フランチャイズで大手塾のブランドを利用すること。
大手塾の看板を掲げれば、信頼性や知名度が格段にアップします。
全国的な指導ノウハウや教材、システムの提供も受けられるので、個人塾に比べて参入障壁を高めることができます。価格競争に悩む必要がなくなるでしょう。
失敗3. マーケティングを怠ってしまう
塾経営では、マーケティングを怠ってしまうことも失敗のもと。
「良い教育さえ提供していれば、口コミで生徒は集まるはず」と考えがちですが、それは大きな間違いです。
いくら教育の質が高くても、そもそも知ってもらわなければ意味がありません。積極的なマーケティング活動が不可欠と言えます。
「教育が良ければ口コミで生徒は集まる」と思いがち
口コミは確かに重要な集客チャネルの一つ。
しかし、口コミだけに頼っていては生徒数を増やすのは難しいでしょう。特に開校初期は知名度がなく、口コミが期待できません。
地域に認知してもらい、信頼を獲得するまでは、自ら情報を発信していく必要があります。
対策:短期・長期のマーケティング施策を怠らない
対策としては、短期・長期の施策を継続的に実施するなどマーケティングを怠らないことが大切。チラシ配布やWeb広告、説明会の開催など、生徒募集の時期に合わせた短期的な施策を講じましょう。
一方で、ブログやSNSでの情報発信、地域イベントへの参加など、長期的に塾の認知度を高める活動も欠かせません。
失敗4. 運営資金がショートしてしまう
塾経営で陥りやすいもう一つの失敗が、運営資金のショートです。開業資金が足りず、開校後すぐに資金繰りに窮してしまうケースが少なくありません。
生徒が集まるまでには時間がかかるのに、毎月の家賃や人件費などの固定費は発生します。資金計画を甘く見積もってしまうと、たちまち行き詰まってしまうでしょう。
対策:開業時に数ヶ月の運営費を用意しておく
運営資金のショートを防ぐには、開業時に数ヶ月分の運転資金を確保しておくことが重要。
少なくとも6ヶ月分、できれば1年分の固定費に相当する資金は用意したいところ。万が一生徒集めがうまくいかなくても、すぐに資金繰りに困ることはありません。
塾経営の失敗を防ぐためにできること
塾経営の失敗を防ぐには、事前の入念な準備と継続的な努力が不可欠。
ここでは、塾経営の失敗を防ぐために特に重要な4つのポイントを解説します。
1. 開業前の計画・準備を十分に行う
まずは開業前の計画・準備を十分に行うこと。
立地選定、教室設計、講師採用、カリキュラム作成など、開校までにやるべきことは山積みです。一つ一つを丁寧に進めていくことが、失敗を防ぐ第一歩となります。
特に立地選定は慎重に行いましょう。生徒の通いやすさ、競合校の状況など、様々な角度から検討を重ねることが重要です。
2. 余裕を持った初期費用を準備しておく
十分な開業資金を確保しておくことも大切。
前述の通り、生徒が集まるまでには時間がかかります。その間の固定費をまかなえる資金が必要です。
ギリギリの資金で開業を急ぐよりも、時間をかけて余裕のある資金計画を立てましょう。
ポイントは固定費を低く抑えること。初期は必要最低限の設備に留め、ランニングコストを最小限に抑えることが賢明です。
3. 塾業界の知り合いを作り情報を得る
塾業界の知り合いを作り、情報交換することも有効。
経営のノウハウ、生徒募集の方法など、同業者ならではの生の情報が得られるはずです。
なお経営に関する情報を獲得する際には、成功事例だけでなく失敗例も共有してもらいましょう。
4. 集客は決して怠らない
そして、開校後は集客活動を継続的に実施すること。
前述の通り、マーケティングを怠ると失敗のもとです。生徒募集の時期はもちろん、それ以外の時期も塾の認知度アップに務めましょう。
ホームページの充実、ブログ発信、チラシ配布、説明会開催など、できることは多岐にわたります。さまざまな施策を組み合わせ、地道に継続していくことが大切です。
実際にあった塾経営の失敗談
ここからは、トライプラスで実際に学習塾を運営するフランチャイズオーナーの方々のインタビューをもとに、学習塾の失敗談を見ていきましょう。学習塾の開業を検討している方には、ぜひ参考にしてみてください。
狭い教室を選んでしまった
トライプラス金町校、亀有校、北千住校などを運営するオーナー様は、1校目の教室物件選びで失敗したとのこと。
ビルの3階で、エレベーターも1基しかない物件で開校。そのため、置ける机の数が制限され、思うように生徒を集められなかったそうです。
唯一失敗したなと思ったのが、1校目に開校した教室の狭さです。ビルの3F、エレベーターが1基しかないという条件も重なって、置ける机の数がどうしても制限されてしまいました。トライプラスでは冬期、夏期など集団講習に力を入れているのもあって、できるだけ大勢の生徒を集めたいと思っているのですが、そこに広さの制限があると思うようにいきません。
また、自習用の演習エリアを確保するスペースもなく、生徒や保護者からの評価が下がってしまったとのことでした。
また、自習を行える演習エリアも確保できなかったことも失敗したなと思った点ですね。ただ、その失敗を生かして2校目、3校目とより良い場所選びの参考にできたので、結果的には良かったと思いますね。
物件選びの重要性を再認識させられるエピソードです。立地や設備など、様々な角度から入念に選定を行いましょう。
保護者と対等な関係を築くのに苦労した
トライプラス 総社校を展開するオーナー様は、「開校当初、保護者対応で苦労した」と語っています。
開校当初は保護者との対応・対等な関係を築くのに苦労しました。どうしても腰が低くなりすぎたと……。 でもそこに関しても、SVの方が懇切丁寧に指導してくれたおかげで、次第に対等の関係を築けるようになり、生徒数も今では120名を超えるまでになりました。
生徒だけでなく保護者様も顧客となる学習塾では、保護者対応は塾経営の重要課題の一つ。ニーズを汲み取りご要望にはしっかり応えつつも、教育のプロフェッショナルとして対等な関係を築く必要があると言えます。
地域格差なし!31歳で生徒数全国No.1教室(FC教室)に!
低リスクで塾を開業するならトライプラス
塾経営には様々な失敗のリスクが潜んでいますが、それを回避するには事前の入念な準備と対策が不可欠。とはいえ、校舎運営・経営の両面を一人で全てを背負うのは容易ではありません。
大手学習塾ブランドとなる「トライプラス」のフランチャイズでは、「家庭教師のトライ」ブランドの知名度を活かした集客サポートや、独自の学習プログラム、33万人の講師データベースからの採用サポートなど、経営面を手厚くバックアップいたします。
こうした手厚いサポート体制が整っているからこそ、経営の失敗リスクを最小限に抑えつつ、自分の理想とする塾経営を実現していただくことが可能です。
学習塾の開業を検討されている方は、ぜひお問い合わせ下さい。

